半導体の乾燥とは
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洗浄後のクリーンな状態の半導体に施す乾燥は
表面に水分を残留させない事やパーティクル(ゴミ)・金属・有機物などがウエハに付着しない事、さらに、ウォーターマークを残さない事が大事な要素になってきます。
洗浄と並ぶ質が求められる、重要な工程です。
乾燥の原理
工業用乾燥は、以下7つの物理的原理を複合して構成されている。
① 被洗浄体周囲の気体の洗浄溶媒ガスの溶解度を高める事で蒸発を促す。
例: 空気を温める方法や、洗浄溶媒が水であれば、乾燥した空気を送るなど。
② 被洗浄体周囲の洗浄溶媒ガスを含む気体を、それを含まない気体に置換し、蒸発速度を高める。
例:風を送る、窒素ガスを吹きかけるなど。
③ 被洗浄体を温めて付着している洗浄溶媒を加熱し、その蒸気圧を高める事によって蒸発を促す。
例:温風やホットプレートで洗浄ワークを温めるなど。
④ 被洗浄体周囲の雰囲気を、洗浄溶媒の蒸気圧以下に減圧することで、蒸発速度を高める。
例:真空乾燥。
⑤ 付着洗浄溶媒を、より乾き易い乾燥用溶媒に置換し、その乾燥用溶媒を乾かす。
例:石油系溶剤や水で洗った洗浄ワークを、アルコールで濯いでから乾かすなど。
⑥ 物理的な力を加えて洗浄溶媒を洗浄ワークから引き離す。
例:洗浄溶媒を拭き取る、圧縮空気で吹き飛ばす、遠心力で振り切るなど。
⑦ 液体の表面張力を利用して、洗浄溶媒を洗浄ワークから引き離す。
例:温純水引き上げ乾燥、マランゴニ乾燥など。
まとめ
被洗浄体から除去された汚れは洗浄溶媒の中に残っており、これをそのまま乾かしてしまうと、その汚れは洗浄ワーク上に残って染みになっ てしまう。そのため、乾燥を「洗浄溶媒を蒸発させる」と解釈するのは、理想的でない。
また、洗浄溶媒が水の場合、蒸発潜熱は約 538.9cal/g(100℃)もあり、望外なエネルギーコストを要する。
なので、まず洗浄ワークから洗浄溶媒を振り落とす「液きり」を行い、それでも残った洗浄溶媒を蒸発させる、という工程を踏むのが好ましい。
上記7原理の内、①~④項が「洗浄溶媒を蒸発させる」方法の原理であり、⑥~⑦項は「液きり」の原理、そして⑤項が「液きりと蒸発を併せ持つ」手法である。
オリエントの洗浄装置は・・・
弊社では、上記7原理のうちの⑥の原理を利用したスピンドライヤーに加え
自社開発の温水引き上げ乾燥装置も展開しています。
温水引き上げ乾燥装置「リフトドライ」は、⑦の「液切り」原理を主体として
①、②、③の「蒸発」原理の長所を集約する事により、効果的な乾燥を実現します。
リフトドライの詳細はこちらからどうぞ。↓
温水引き上げ乾燥装置
洗浄と乾燥の主な課題
洗浄と乾燥の主な課題
常に改善と進化を求められている洗浄・乾燥の技術。
それは、パーティクル発生などの、長年の試行錯誤の対象である基本的課題に加えて半導体デバイスの進歩や時代の変化に伴って生じる新しい課題への対応が常に求められるからであるといえます。
色々な乾燥方法
色々な乾燥方法
洗浄後のクリーンな状態の半導体に施す乾燥は表面に水分を残留させない事や
パーティクル(ゴミ)・金属・有機物などがウエハに付着しない事
さらに、ウォーターマークを残さない事が大事な要素になってきます。
多岐にわたる乾燥方法の概要と、其々の長所、短所を挙げて比較しています。
オリエントの洗浄・乾燥装置紹介
装置紹介
既成概念にとらわれる事なく、常に新しい発想を取り入れた開発を目指してきたオリエントの、洗浄・乾燥洗浄装置です。
洗浄装置は、シリコン/ガラス/セラミック等の小ワークから、大口径ウエハまで様々なワークへ対応し、小型実験機から大型量産装置まで製作しております。 乾燥装置も用途/目的に合わせてお選びいただけます。
取扱製品情報へ
将来性を考えた製品づくりを通じて時代を築き、信頼を築くこと。
これこそプロフェッショナルなスペシャリストとしての私たち、オリエント技研の道であると信じています。
お客さまからの受託により、洗浄装置、CR設備、乾燥装置、枚葉装置、実験装置、その他装置を開発製造しております。
また、自社製品の開発にも積極的に取り組んでおります。